今回は不登校の原因にならないためにうつ病の治療について書いていきます。
うつ病の治療の主体となるのは薬物療法で、主に用いられる脳内のセロトニン濃度を高める作用を持つ選択的セロトニン再取り込み阻害薬とされています。そのほか、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤や三環三環系抗うつ薬があります。抗うつ薬は通常、効果発現までに4から8週間という時間がかかることは注意が必要です。精神療法も薬物療法と同時に行うことが多く、医師や臨床心理士と対面して会話をしていくなかで症状の改善を目指します。また、絶望感や自己否定感など実際の状況にふさわしくない感情が強いときは、その考えと現実との歪みを修正する認知行動療法がよいとされています。
薬物療法と精神療法で大きな効果が見られず、自殺念慮が強い場合や食欲が全くないなど、重度な症状が見られる場合にする電気けいれん療法です。麻酔をかけたうえで頭皮に装着した電極から脳に電流を流してけいれん発作を誘発します。週に2、3回で3から4週間程度行われます。この治療によってうつ症状が劇的に改善していく場合も少ないですが、体への負担が大きいため、実施にあたっては慎重な検討が必要です。
他に薬物に反応しにくい患者に対して、磁気を用いて前頭葉に電流を発生させ、この領域を活性化させることで治療する経頭蓋磁気刺激療法です。職場復帰までには今一歩という患者に対して、デイケアなどに通所しながら、通勤や仕事に慣れていくことを目指すリハビリテーション治療のリワークもあります。次回は対策について紹介します。
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