摂食障害は主に思春期以降の女性に多く発症しますが、10~15歳の前思春期年齢(小中学生)でも増加しており、疾患として重要性が増しているようです。成人と同様に典型例ではやせ願望があり極端なダイエットをした結果やせが進行してしまう神経症やせ症です。しかし、学校の給食で完食を強要された、胃腸炎のときに嘔吐恐怖が出現したことなどをきっかけに食べ物が喉を通らずやせが進行してしまう「食物摂取を回避する病型」というのがあります。心身ともに成人になる前に重大な問題を残してしまうことが懸念されて、低身長、骨粗しょう症、無月経・不妊症のリスク、不登校、家族とうまく生活できないなどの心配な状態です。
15歳以下では性別や年齢を考慮して、標準体重との比で評価して、65%未満は入院治療が必要な最重度とされています。また、1~2ヶ月の短期間で急激な体重減少がある場合には入院治療の適応になります。詳しくは→ 日本人小児の体格の評価|日本小児内分泌学会
子どもの摂食障害に気がつくことが第一歩で、小中学生でもダイエットは一般的で親も一緒にしていることも珍しくないと思います。子どもが極端に食べなくなったり、痩せたりしてきても身近な家族より学校の先生や養護教諭が気づくことも少なくないです。給食や朝食を食べなくなった、痩せているのに以前より活発になった、マラソンなど運動を過剰にしたがるや自分が食べることよりも、家族に摂らせようとするなどのサインがあるはずです。家庭で測れなければ、学校で行っている身体検査の結果を確かめることで、気づいたらかかりつけ医に相談してほしいと考えます。毎回休まずに受診して、食べても体重が急激に増えないことを実感することで、食事や体重の偏った考えを少しづつ変えていくために重要です。子どもが嫌がる場合、便秘が酷い、身長の伸びが少ないや髪の毛が抜けるなど身体症状を理由にすると受診を促しやすいです。また、3食規則正しく食べることが大切になり、野菜、肉、魚などをバランスよく摂り健康的な体に近づけるようにすることです。女性よりは少ないですが、男性でも摂食障害になる可能性があるので気をつけてください!周囲から見れば痩せていると思っても本人は太っていると思っているので、理解しつつ他の病気になるかもしれないと言ってあげることです。次回は不登校から回復するまでの期間と子どもに見られるサインがあるについて紹介していきます。