小児慢性疲労症候群とは、3ヶ月以上にわたって疲労や倦怠感、睡眠不足が続く症状で、いじめなどのはっきりとした理由がないのに、学校生活が送れなくなり、不登校になる子に多いそうです。一見すると元気そうでも疲れやすく、疲れが溜まると日常生活を送ることさえも困難になります。例えば、「体育の授業で速く走っていたのに、翌日になると疲れて学校に行けなくなることが、サボっている」と誤解されやさいです。学習意欲の低下、記憶。注意力の低下が学校生活への適応を妨げられている可能性もあります。有病率は、0.2~2.3%と多くないように感じるため疲れただけで休むのはあり得ないと考える人もいるかもしれません。
意欲と密接な関係にある報酬感受性があり、高いと少ない報酬でも比較的報酬感が得られやすく意欲喚起につながり、学習の行動の持続性を支える要素になります。低いと意欲の低下につながり、活性度が健常児に比べて低下してしまい、学習の持続的な行動を起こしにくくなることです。学習したくないと宿題が出てもしなくなる、授業中寝てしまうといったことなどが起きてしまいテストの点数も悪く学校に行かなくなることもありそうです。
治療による取り組みも進んできており、激しい疲労感から不登校になった子どもに入院してもらい、強い光を当てて睡眠障害を改善したりすることです。天井に色や明るさを調整できる照明を設置したベッドで寝て、乱れた睡眠習慣を元に戻すことで、2~3ヶ月入院すると、疲労感をも弱まり、約6割は通学など社会復帰ができます。ただ、退院してから学校生活に戻っても、再び睡眠を取れなく再発するケースがあります。高学年になるほど完全に回復するのが困難になるので、小さいうちから正しい睡眠習慣をつけることが必要になると思います。そのためには、親は夜更かしせず、早めに就寝することにより子どもも正しい睡眠習慣になりそうです。親は本人とよく話し合った体の状態を把握した上で、周囲にも病気について正しく伝え、理解を促していくことが大切です。大人でも仕事などで疲れることがあっても風邪など体調不良にならない限り休むことは少ないですが、子どもが疲労や睡眠不足が続いていると感じたら慢性疲労症候群を疑って病院で受診してもらいたいです。次回は不登校になった友達がいたらどうするべきかについて紹介します。